(instrumental)
指に染み付いた赤錆の匂い消えない / 勝利のイニシャルに渦を重ねて弛緩する / 残された腕の条件 / 指から覚えて形に従い構える / 4弦の響きに解放されて隣接する / ベースを外してセブンスに / ループする藁のように / ルーチンワークを続けて / 刻む足跡 / 爪弾き満ち足りる
背に迫る 琥珀の影 / 胸が詰まる 甘い香りに / 掌を撫でる 私の薬指に触れて / 手をまわす 貴方の首筋 / 横たわる骨 落ちる瞳 / 浅く滑り届く 心の奥に / 痛みを満たして 固まる我が身 直ぐ消えて / 吹きつける風 流れる海 / ひび割れた想いと 応える叫びに / 沁みて響く 貴女の眼底に / 届け 赤く 染まれ
夜が浜辺を歩き回る頃に / 満月が雲の形をひとつ変える / 波打ち際に描かれる放物線を数を数え続けて / 答えはいつしか収束して星の曲を作り出す / そのまま横になろう 重ねた腕を枕にして / そのまま横になろう 鼓動を忘れ / 柔らかな光が遠くに広がり静かに目を閉じると / 固まりになった心が鼓膜に直接触れるのさ / そのまま横になろう 重ねた腕を枕にして / そのまま横になろう 鼓動を忘れて
開放弦を交えた隣接和音アルペジオが好きで作ったはいいけれど、 バンドで演奏するにはメロウすぎるためインストにしました。 クリシェ進行が好きで多用してしまう…。 ギターと iPhone の GarageBand アプリで作りました。タイトルも GarageBand から取りました。 mugbum の gb でもある。ゴキブリではありません。
淡々と繰り返し刻み続けるベースは Rebel One Excalibur の tπ の影響を受けています。 タイトルには「ロックへの回帰」みたいな意味を持たせました。 ユニゾン、ギターソロ、ベースオブリ入れまくりなど、そこそこロックしていると思います。 ユニゾン部分は 8+7 の 15拍子です。たまに奇数拍を混ぜる演奏をするのは楽しいです。 歌詞は部屋でひとりギターをポロポロ爪弾いている様子を歌っています。 こちらは全然ロックしていません。
ゆったりとしたメロディ、その間を探るように動くリズム、相反する2つの絡みを楽しむ曲です。 大昔に作った「fm」という曲に似ているのでタイトルは「fm2」にしました。 ミニマルっぽいギターソロは Extreme の Am I Ever Gonna Change を意識しています。 後半の仰々しさ、ハードロックぽくて気に入ってます。 歌詞は「歯医者の様子」とのことですが正直よくわかりません。 後半の数秒を誤って削除してしまったためフェードアウトで誤魔化しています…。
Esperanza Spalding の Judas に影響されて作り始めましたが、ベースラインに名残があるくらいで別モノになりました。 当時 Koochewsen のライブを観たばかりで、その影響が出たのかもしれません。 デモを作ったときのタイトルが「track 7」だったのでそのまま採用しました。ウルトラセブンみたい。 歌詞の意味はまったくわかりません。浜辺とか満月とかなんなんだか…。 ギターソロ直前にビッグマフを踏んで「ブピー」を出すことに命をかける曲です。
今作のレコーディングは全て自分たちで行いました。 以下、録音についてつらつらと…。
まずドラム。いつもの練習スタジオで録音しました。 ドラムセットはスタジオ備え付けのものを使用。スネアはイッチーが20年くらい使っているもの。 マイクはスタジオでレンタルして、スネアに2本、バスドラに2本、トップに2本ずつ立てました。 曲によってはハンディレコーダーでアンビエントも録音しています。 録音機器の制約上、タムとハイハットにマイクは立てていません。
セッティングに1時間、録音も1時間程で終わりました。 「クリック鳴らすから練習がてら叩いてみて~」と言いながら録音したので、 肩の力が抜けたいい感じのテイクになっていると思います。
次にギター。こちらもいつもの練習スタジオで録音しました。 アンプはスタジオ備え付けの Marshall JCM2000、エフェクターとギターはライブで使っているものと同じ。 マイクはオンマイクとオフマイクの2本立てて同時録音しました。 録音は1時間程で終了。 ライブと同じ演奏にしたかったので手元足元で音を切り替えつつ通して録音しました。 オーバーダビングはしていません。 ミスも実力のうちってことで…。
ベースの録音はアサミが自宅で行いました。 最初はサンズアンプのラインのみという漢(おとこ)の録音データが送られてきましたが、 やはり気にいらなかったようで、 Bass Soul Food とアンプシミュレータを使って録り直したものに変更。 ミドルが強めのギスギスしたベースっぽくない、個人的には好きな音です。
そしてボーカル。自宅の風呂場で録音しました。 換気扇を止め扉を閉めきっての録音はメチャクチャ暑かったです。 暑い感じ、歌に出てるでしょうか? マイクを手に持ってカラオケスタイルで歌いましたが、音量や空気感が安定しないのでやらなきゃよかったです。
コーラスパートやらなんやらかんやらで録音を終えるまで数日、トータル5時間くらいかかりました。 疲れました。歌は難しい…。
録音機器は iPhone(GarageBand)です。 オーディオインターフェースは iPhone に接続できる Steinberg UR44 を使いました。 GarageBand は同時録音が 8トラック、UR44 は同時使用が 6チャンネルなので、 今回のような録音形態であればギリギリセーフ。 タムとハイハットが録れてないのでギリギリアウト…?
ミックス作業も iPhone です。 普段使っている1300円のイヤホンで音を確認し、 通勤電車内や寝る前に布団でゴロゴロしながら作業しました。 分離感は抑えて1つの固まりとして聴こえるようなミックスにしました。 録音素材が少ないし音自体も綺麗に録れているわけではないのでそうせざるを得なかったわけですが…。 でもローファイな感じで気に入ってます。
最後の工程、マスタリング。 せっかくなので今流行り?のオンラインマスタリングサービス (LANDR、 BandLab、 MajorDecibel) を試してみました。 ファイルをアップロードすると2,3分でマスタリングが終了するのはすごい…。 でも、いずれのサービスも音圧ばかりが目立ち平坦な印象になりニュアンスが無視されてイマイチ…。 打ち込みのようにダイナミクスが決まっている音楽と相性がいいかも、と思いました。
ということで、マスタリングは前作でもお世話になったツバメスタジオの君島さんに依頼しました。 「平坦にならず、曲のクドさが引き立ち、ラウドさがあり、すっきり聴ける」 といったよくわからない注文を快く受けて頂きました。いつもありがとうございます…。 マスターを数パターン作成してもらい、音の粒が立って聴感がスッキリしているものを採用しました。 謎のアナログ機械とかを通して処理しているらしいです。
といった感じで2018年5月からレコーディングを開始、1ヶ月ほどのんびりと作業しました。
セルフレコーディングはお金や時間を気にしなくていいですが、 いくらでもダラダラできるので、 いかにモチベーションを維持させるかが重要になってくると思います。 また、プロと比べると機材のクオリティはどうしても落ちてしまうので諦めも肝心です。 まあ、今回は手持ちの機材でどこまでできるかわかったので良しとします。 次作では今回の経験を生かしつついろいろ練ります。
また3,4曲たまったらレコーディングしよっと。
(text by mgng)
使用機材一覧